2022年10月5日(水)にマネックスSP信託主催の”「介護保険制度」を学ぶオンラインセミナー”を視聴しました。
ちょうど私が知りたかった内容もあり、勉強になりました。
特に介護に関する”施設”の種類やその特徴は、今後考えていかなければならないことだったので、すごく興味深かったです。
講師・講義の概要
セミナーは、YouTubeで視聴する形式で行われました。
講師
講師は、淑徳大学 総合福祉学部教授 結城 康博教授です。
声のトーンも話し方もやわらかくて、とても聞きやすく、内容もわかりやすかったです。
講義概要
「介護は突然やってくる」「介護は情報戦」を大きなテーマとした講義でした。
介護は、誰もが避けては通れない時代となっています。厚生労働省の集計データによると85歳以上の約50%が要介護者となり、問題になりつつあります。また、要介護となる要因で最も多い要因が認知症ということで、認知症も身近な存在になってきています。親が元気なうちから介護に備えることはもちろん、将来的にご自身が介護を受けることまで想定した備えについて考えていきましょう!
マネックス証券HPより
日本はひとり暮らしの高齢者や老夫婦世帯が多い
全国平均の高齢化率は、約30%。40年後には40%になるといいます。
高齢化率は65歳以上人口が総人口に占める割合。
引用:コトバンク
結城教授がおっしゃるには、日本は家族機能が減退しており、サザエさんのような3世代家族は10%以下だそうです。
「介護は、社会や国が面倒をみてくれる」と思っている人が多く、日本では「家族で介護」ということが無くなってきているそうです。
介護保険サービスや介護施設などの充実が今後の課題のようです。
介護保険サービスについて
介護保険サービスは、市町村に設置される介護認定審査会において要介護状態や要支援状態を判定された場合に受けられるサービスです。
要介護認定は、介護サービスの給付額に結び付くので、その基準は全国一律に定められます。
介護保険サービスを利用するまでの流れ
- ステップ1自身の住んでいる役所に要介護認定の申請をする
- ステップ2①認定調査員が自宅に要介護者の現状を聞き取りに来る
②役所が要介護者の主治医に意見書を求める
- ステップ3ステップ2の①・②の2つの書類を基に介護保険認定審査会で審議
- ステップ4介護認定区分:要支援1・2、要介護1~5と認定
- ステップ5サービスを使える
※介護認定区分非該当の場合は、サービスを使えない
※引用:結城教授のセミナー資料
認定調査員の聞き取り時に気をつけたいこと
認定調査員の聞き取りは、介護認定区分の決定に大きく影響します。
結城教授から認定調査員の聞き取り時に気をつけたいことについてアドバイスがありました。
是非参考にしましょう!
その1:調査日に要介護者が、いつもより元気だったり、どんな質問にも「できます」とこたえてしまったりすると、介護認定区分が軽くなる可能性がある。
できるかぎり家族が同席し、普段の様子を調査員に伝えて調査票の特記事項に詳しく書いてもらうようにした方がよい。ケアマネも同席するとなおよい。
特に要支援1・2、要介護1・2の判定がでそうな状態の時は、家族がフォローした方がよい。
その2:特に入院中の認定調査の時は、家族の同席があったほうがよい。
その3:かかりつけ医をつくっておく。主治医の意見書に現状を詳しく書いてもらえるので、介護認定の際、高く認定される場合がある。
介護保険施設
介護保険施設は次の3つです。※結城教授の資料より引用
介護保険施設の種類
■介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) ※1番人気
常に介護が必要な方が施設に入所し、入浴や食事などの日常生活上の支援や機能訓練、療養上の世話などを受けることができる。
新たに入所する場合、原則、要介護3以上の方のみが利用することができる。
■介護老人保健施設
在宅復帰を目指している方が施設に入所し、リハビリテーションや必要な医療、介護などを受けることができる。
■介護医療院
長期にわたって療養が必要な方が入所し、機能訓練や必要な医療、介護、日常生活上の世話などを受けることができる。
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)【特養】が人気の理由
※以下、結城教授の資料より
■毎月の費用が安い
■一度入所すれが、大病しない限り長く入所できる
■ケースによっては、看取りまでやってくれる
何年か前は、入所するまで数年待ちという状況だったが、昨今はかなり改善され、要介護3以上であれば早めの入所が可能となっているそうです。
費用について
結城教授の資料によると、毎月の費用は、高齢者の収入に応じて毎月支払い、個室(ユニット型個室)で9万~15万円、相部屋(2~4人)で5万~9万円とのことです。
入所費用って、結構負担になりそうだな・・・と感じました。
それに加えて、介護保険料の負担もあります。
介護保険料は、3年に1度見直されます。
介護保険制度が始まった平成12年(2000年)4月は、第1号保険料が2,911円でしたが、現在は、6,014円です。
第1期 | 2,911円 | 第5期 | 4,972円 |
第2期 | 3,293円 | 第6期 | 5,514円 |
第3期 | 4,090円 | 第7期 | 5,869円 |
第4期 | 4,160円 | 第8期 | 6,014円 |
思ったより負担が増えてるかなぁ~😓
結城教授は、遺族年金を月9万円くらいもらっていて、貯金400万円くらいの高齢者は、経済的貧困の状態で、例えば、生活保護を受給されている方の介護サービスの方が良いという逆転現象が起きてしまているケースがあるとおっしゃっていました。
私は、この話はショックであると同時に、老後の備えについてもっと考えないといけないと気が引き締まりました。
「介護」に備えるための結城教授の提言
誰しもが直面するであろう「介護」に備えるためには、家族で話し合ったり、理解を深めたりすることが大事です。
高齢者にとっての生活課題
1.経済的貧困
2.健康上の問題・・・疾病、認知症、要介護状態、虐待
3.人間関係の希薄化(孤立化)・・・家族がいない、近所づきあいがない
4.住まいの問題・・・単純な住居、要介護状態の施設待機者
5.生きがいの問題・・・高齢者の自殺など
※引用:結城教授セミナー資料
介活6ヵ条の提言
結城教授は、「介活」という言葉を広く広めていきたいとおっしゃいます。「介活」の内容をみていきましょう!
「介活」とは元気なうちから高齢者本人もしくは子どもらが「介護」に備えるために、情報収集、要介護状態の備え、もしくは介護サービスが必要になった時の活動をいう。
【介活6ヵ条の提言!】
1.要介護者になったら「支えられ上手」に!
2.介護サービスは、『口コミ』が大事!
3.元気なうちから親子で「介護」を話す!
4.相談できる人や期間を確認しておこう!
5.かかりつけ医を持つこと!
6.70歳まではアルバイトで良いので働こう!
引用:結城教授のセミナー資料
セミナー視聴を終えて(所感)
結城教授のセミナーを拝聴し、現在介護している母の状態が変化した場合の準備が大切だなと思いました。
特に施設についての内容は、自分たちの事情によってきちんと適切に選択できるようにしたいと感じます。
また、結城教授の介護の準備についてのお話が興味深かったです。
介護が必要になる原因は認知症と脳血管疾患が主な原因です。
認知症は、症状がゆっくり進むことから介護認定区分も軽い区分から重い区分へゆっくり段階的に変わっていくことが多いので、介護の準備も時間をかけて行うことができます。
しかし、脳血管疾患は、疾病を患った時点で重い区分の介護認定となる場合が多いので、日頃から準備しておくことが重要です。
この話をお聞きして、ハッとさせられました。
結城教授は、医療がどんどん良くなっていくが、その後の介護が手薄であることが問題だとおしゃいます。
自治体に地域包括支援センターが設置されているので、少しずつでも相談にいくと良いでしょう。相談は無料です。
自治体の制度を知ることから始めるのもいいかもしれません!
私は、母が要介護3なので、すでにケアマネージャーにお世話になっていますが、もっといろんなことを知識としてお聞きしようと思いました。
「介護は突然やってくる」「介護は情報戦」!!
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