介護って、自分の自由な時間より介護にあてる時間を優先しがちですよね。在宅介護となるとその傾向が強くなるのではないでしょうか。
“介護とはこうであるべき”という思い込みがあって、勝手に疲れて体調をくずした私が、以前より介護を負担だと感じなくなってきたきっかけと介護が負担と感じないように日頃気を付けていることについてお話します。
最後までお付き合いいただけたら幸いです。
私が体調をくずしてしまった原因
私が体調をくずしてしまった原因は、まさに介護をする人が陥りやすいと言われている“自分がなんでもやらなくちゃ”“できることは全部やってあげたい”という思いが先行してしまったことです。
在宅で母を介護し始めて2年くらい経ったあたりから、なんとなく体調がすぐれず、気分もイマイチな日が続きました。
毎日イライラし、自分の家(夫と二人暮らし)の家事はおろそかになり、いつでも寝不足。仕事でも、細かいミスを連発しました。
私は、母と同居していません。隣に住んでいます。同居しているのは弟です。 その弟は、母の介護に積極的ではありません。そんな弟にもイライラがたまっていました。
“弟にお願いするより自分でやった方が早い”といった状況で、私、がんばっちゃってたんですね。
自分で思っている以上に疲弊していたと思います。
以前より介護が負担だと感じなくなってきたきっかけ
私は母が大好きです。そんな大好きな母の介護も負担に感じていました。
体調をくずし受診した診療内科の先生の言葉をきっかけに、私の介護に対する心構えが変わりました。
大切なのは、母の介護に「入れ込みすぎない」ということだったんです。
「お母さんにも生きる責任があるんだよ」の意味
不調が続いていたので、思い切って心療内科を受診しました。
診察の時に、先生にかけていただいた言葉が、「お母さんにも、生きる責任があるんだよね」です。
この言葉は、私を救ってくれました。心につかえていた何かがぽとりと落ちる感覚があって、なんかスッキリしたのです。
「自分を大切に、自分のことを優先してもいいんだよ!」そう聞こえました。
目からうろことはこのこと。
「できることはなんでもやってあげたい」という気持ちから、勝手に忙しくなって勝手に疲れ果てていたと気付きました。
自分の時間を作ってリフレッシュすることが、介護が負担だと思う気持ちを軽減することにつながると気がついた瞬間でした。
私の人生そんなに長くない!!と考えた
介護はどうしても時間をとられます。それは変わりない事実なのですが、私にも人生があるんですね。心療内科の診察をうけて考えたことがあります。
父は、77歳で亡くなりました。母も71歳で脳リンパ腫を患い介護が必要な状態です。 そう考えると、私の人生そんなに長くない!!と思ったんです。
母の介護を放り投げようなどと考えたこともありません。そんな気持ちを持ったこともありません。できるだけのことはしてあげたいと思う気持ちは変わりません。
ただ、私の人生、やっぱり楽しみたいと思いました。楽しむためには、私自身が疲弊しては元も子もないわけです。介護に疲れてイライラしている暇なんてないんです。
自分の時間も母の介護も後悔しない人生のためにできることに全集中です!
介護が負担と感じないように日頃気をつけていること
大切なのは、介護に入れ込みすぎないことです。訪問看護・介護などのプロにお任せしたほうが良いことはお願いし、家族の負担を軽くすることがポイントです。
心療内科の先生との面談ではっきりと私の中で整理がついた「私の人生、そんなに長くない!」という思いは、決して後ろ向きな感情ではなく、長くないからこそ、どうしたら今の状況から抜け出せるかと考えました。
次の3つは、介護以外の自分の時間を確保することができず、心身ともに疲れてしまうことがないように気を付けていることです。
母の介護に対する距離感
程よい距離感を保つようにしました。以前は、本人ができることも奪ってしまっていたように思います。これやってあれもやって・・・と私が自分で勝手に忙しくなっていただけでした。
今の母の状態は、ひとりでいても大丈夫な状態の時が多いです。トイレも歩いて自分で行くことができます。家事もできることがまだまだあります。母は洗濯が好きです。洗濯物が重い時に干すことは難しいですが、その他はできます。それを、私はやってしまってたんですね。母にしてみれば、大きなお世話だったかもしれません。できるのになんで?・・・と。
なんでも介助することは、要介護者の自尊心を傷つけてしまう可能性もあります。自信をなくして、半今まで出来ていたことが出来なくなってしまうかもしれません。過剰に手助けすることはせず、リハビリだと思って見守り、本当に必要な手助けをするようにしましょう。
要介護者の自尊心を保ちながら、介護者の気持ちに余裕が持てる一石二鳥の考え方です。
自分の好きなことができる時間を確保する
私のできることはなんでもやってあげたいという思いから、母に接する時間を優先していました。しかし、程よい距離感をおくことで、自分の好きなことができる時間を確保できます。
私は、映画を観に行ったり、友達と食事をしたり、趣味のランニングをしたり・・・いろんなことができるようになりました。
こういった時間は、介護から離れて自分のために楽しむ時間です。大切にしましょう。
どうしても要介護者の様子が気になる場合は、「見守りカメラ」の設置がおすすめです。
見守りカメラをつけると、自分のタイミングで要介護者の様子を見ることができるので、留守中の心配がなくなり、思いきり自分の時間を楽しめます!
公的サービスを上手に利用する
訪問看護、リハビリ、医師の往診、ヘルパーのお掃除の時間の組み合わせを、平日必ず誰かが訪問するようにスケジュールに変えました。訪問が、ある曜日に集中しないように、ケアマネージャーと相談して分散しました。
介護保険サービスの訪問看護・介護は、在宅介護をしている家族の頼りになる味方です。
介護度によって利用できるサービスは異なりますが、プロの目が入ることは安心です。
私たちの介護体制は、どうしても日中に母がひとりになる時間ができてしまいます。ひとりの時間が短くなるよう、月曜日:入浴介助、火曜日:リハビリ、水曜日:医師の往診とお掃除・・・というように、日中に必ず何かしらのサービスが入るようにしました。
そうすることで、例えば、転倒してしまったりしても、家族が外出してから帰宅するまでずっと転倒した状態のままということはありません。
母の家に見守りカメラをつけているので、看護師さん達の介入時間以外の時間でも母の様子を確認できます。安心ですね!
また、私たちの自治体では介護用品の支給サービスがあります。これは要介護3以上で利用できるサービスです。 カタログから必要な介護用品を注文すると、毎月配達してくれます。価格も定価の1割程度で購入できます。
おむつなどの介護用品は、かさばるので買い物にも時間がかかります。この些細な時間が、たまりにたまってストレスとなります。自治体によってサービス内容が異なりますが、ご自身の自治体のホームページなどでサービスを調べて利用することがおすすめです。ケアマネージャーに聞くと教えてくれます。
要介護者との適切な距離感を保つことがポイント
介護は、ひとりでかかえこまなくてよい!ということを忘れないようにしましょう。
このことを意識するだけで、ひとりでかかえこまなくてよい理由を考え、納得する答えが出てくると思います。“納得すること”が大事です。納得することができなければ、介護を誰かにお願いする時などに、「本当は自分がやらなくちゃいけないのに」というような罪悪感が生まれるからです。
家族の介護は、要介護者への思いも強いでしょう。それゆえ、一生懸命になりすぎてしまいがちです。私は、母とは姉妹のような関係で、一緒に旅行したり、ショッピングに行ったり・・・楽しい思い出がいっぱいです。母のためにできることは自分で全部やりたい!と思っていました。それが自分の時間を消費し、誰かにお願いしようとすると罪悪感を持ってしまう要因だったんです。
自分の時間を大切にしながらストレスなく介護をするコツは、罪悪感を抱くことなく自分の時間を優先できるように、いかに介護から適切な距離を保って自分の気持ちに余裕をもたせることができるかがポイントです。
家族の介護って本当に難しいです。要介護者の気持ちに優しく寄り添うことを忘れずにやっていきたいですね。身近な人に相談し、助けてもらいましょう。相談できる身近な人がいなければ、ケアマネージャーに相談することも考えてみてください。
介護はいったん走り出すと長い道のりを走ることになります。ガス欠で自分の体調をくずさないよう、要介護者を思う気持ち同様に自分にも目を向けることを忘れないようにしましょう!
お読みいただき、ありがとうございました。
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